Wikipedia(ウィキペディア)といえば、ハンパない情報量が掲載されていることで有名だが、一方でハンパない “寄付してアピール” をしてくることでも知られている。今、インターネットを使ってこの記事を読んでくれている読者の中には、「あ〜あのバカでかいバナーのアレね」となる人も多いことだろう。
では、その “寄付してアピール” に応えて、実際に寄付したらどうなるかご存知だろうか? 私がやってみたので、レポートしたい。感想をひとことで言えば……こっちが戸惑うほどにアツい!
その “アツさ” は、例えば寄付した後に送られてくる「自動返信メール」の内容からも垣間見えるのではないだろうか。一部だけ抜粋すると……
「皆さんのご支援は、あなたがどこにいようとも、今必要な情報を見つけることができるようになることを意味します。例えば、ディナーパーティで友達と賭けをしてWikipediaで正解を得て決着をつけたり、私たちを囲む世界を理解するために使ったりできます。
Wikipediaに寄付いただくことは、この強固なアイデアを擁護していただくことです
ウィキペディアは今後も、進化し、成長し、新しい課題に立ち向かっていきます。私たちは、こうした課題の克服に奮い立ち、さらに前進していこうと考えています。皆さんの寄付がその支えとなります。
皆さんのご支援にどんなにお礼を言っても言いつくせません。私たちの将来への投資と、私たちとともに旅をしてくださる皆さんに、ウィキメディア財団を代表して感謝申し上げます。
Wikimedia財団 エグゼクティブディレクター
多くの雇用主の方が、寛大にも、従業員の寄付額に連動する寄付をしてくださっています。皆さんの雇用主が コーポレートマッチングギフト制度に参画されているかご確認ください」
——少しだけ抜粋しようと思ったのに、メール全体から「何とも言えないテンションの高さ」がにじみ出ているため、ついつい長くなってしまった。
どうだろう? このメールを読んでどのように受け取るかは人それぞれだろうが、私個人としては、強烈なハグをされながら、耳元で「もっとお金ちょうだい」と囁かれているような気分になった。
感謝されてる感がすごいと思いきや、「え、そっち?」みたいな。「自分たちの事業ってこんなにすごいんですよ! だからあなたの会社の社長さんも寄付するように!!」と言われてる、みたいな。そして、寄付はこれで終わりなのかと思いきや……! どうやらそうではないらしい。
・「数年後にすごい催促メールが来る」という声も
ネット上では、「一度ウィキペディアに寄付すると、数年後にすごい催促メールが届くようになる」との声がいくつも散見されるのだ。その “催促感” たるや、「完全にスパム」「怖い」といった意見も一部から出ているほど。
なので、寄付することを検討している人は、「一度やったら、“マジのマジでワンモアと催促されるメール” がまた届く」ということを頭の隅に置いておいた方がいいかもしれない。
・衝撃の「ウィキペディア意外と金ある説」
また、ウィキペディアの大々的な “寄付してアピール” には、「記事の可読性を損なうことへの批判だけでなく、ウィキメディア財団(ウィキペディアの運営母体)の財政状態を考えるとむやみに不安を煽りすぎではないか」との声もあがっているそうだ。
なんでも、ウィキメディアのソフト開発者が、「いまの我々の財政状態と、お願いにあるような切迫感や懸念は釣り合っていない」と投稿したことがあるらしい。ウィキペディアって、経営面で苦しいのかと思いきや……これはまさかの「意外と金ある説」!
さらに、職員1人あたり3200ドル(約36万円)に及ぶ家具の購入費が問題視されたこともあるのだとか。
——そんなことが、ウィキペディアに書かれている(2017年9月22日時点)から、興味がある人は確認してみてはいかがだろうか。ちなみに、そのページタイトルは「寄付のお願い (ウィキペディア)」である。
参照元:Togetter、Wikipedia 「寄付のお願い (ウィキペディア)」
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼「寄付のお願いバナー」が出たので、やってみた
▼寄付する金額を決め、クレジットカードかPaypalかのどちらかを選んで手続きを進める
▼手続き中のメッセージもいちいちアツい! 300円という私の寄付金額が恥ずかしく感じるほどだ
▼「ありがとうございました!」の表示の下には、「お友達にも募金してもらいましょう」「会社にマッチングギフトがあるか調べる」などの文言が並んでる。……押しが強い!
▼そして、こちらが寄付した後に送られてくる自動返信メール(全文)
▼ウィキペディアの「寄付のお願い (ウィキペディア)」のページには、「寄付バナーに対して批判が寄せられている」と記載されている。そのページに、大々的な寄付バナーが表示されるという皮肉!
▼なお、それから1年後に起こったことはこちらの記事「あのWikipediaから「申し上げにくいお願いですが」というタイトルのメールが届いた話」をどうぞ
▼さらに1年後には、なぜかポエム調の感謝メールがきた
▼しかしその1日後……失礼すぎるメールが来てキレた。